これってどうなん?

患者さんからの質問にお答えします

歯ブラシと一緒に糸ようじも使用した方が良いですか?


糸ようじはぜひ使ってください。なぜなら一番虫歯ができやすく、気が付かないうちに大きくなりがちなのが隣の歯との接触点だからです。

この部位にはどんなに細い毛の歯ブラシを使っても毛先が絶対に届きませんので、細菌汚れがいつまでも溜まってしまいます。そのために虫歯ができやすいのです。

一日に1回でいいから(特に寝る前のハミガキの時が効果的です)全ての接触点を糸ようじで必ず掃除するようにしてください。虫歯の数は激減すると思います。

5歳の子どもが寝る前などにまだ指しゃぶりをしているのですが・・・


できれば、4、5歳くらいまでにはやめておきたいところです。指しゃぶりの影響で出っ歯になったり、前歯が噛み合なくなったりして、矯正治療が必要になることがあるからです。

やめさせる方法として、指に苦いものや辛いものを塗るとか、絆創膏を貼ってみるとかいう方法をよく聞きますが、実際に試してみた患者のご家族に聞いてもあまりいい結果は出ていないようで、結局は子ども本人がやめる気にならなければやめられないのが現実のようです。

最近読んだある本によると、成長して大きくなったのだからいつまでも指しゃぶりをしているのは恥ずかしいことだと「教え諭す(叱るのではない)」方法や、精神的に寂しい気持ちが強かったり、一人で寝るのが不安だったりする気持ちを、少しでも解消するために指しゃぶりをすると考えると、指しゃぶりをしそうな場面で手を握って一緒に寝てあげることで、徐々にやめていくことが出来ると書いてありました。

試してみてはいかがでしょうか。

虫歯にキシリトールガムがいいと聞きましたが、ただ噛めばいいのでしょうか?


キシリトールを口の中に長く滞留させることが虫歯に対して効果的です。

したがって、

1.キシリトールの甘みをすぐに飲み込んでしまわないで、口中に行き渡らせる

2.できるだけ長時間噛み続け、唾液をしっかり出すとともに、キシリトールを口の中にとどめる

この2点を守っていただきたいと思います。

また、1日4回以上ガムを噛むのが効果的なようです。

朝昼晩の食後、寝る前の4回はガムを噛むことが有効なのではないでしょうか。

親知らずが生えてきました。抜かないといけないのでしょうか?


親知らずも他の歯となんら変わりのない歯で、決していらない余分な歯というわけではありません。

しかし、昔に比べて顎の小さい方が増えてきているために、親知らずが正しく生えることができず、結果的にひどい虫歯になってしまったり、歯ぐきが頻繁に腫れるようになってしまったりすることも増えてきています。

また、はみがきがうまくできない位置に生えてしまうと、親知らず自体だけでなくその手前の歯を大きな虫歯にしてしまい、被害が大きくなることもあります。

したがって、必ず抜かなければいけないとは言えませんが、抜くことになる可能性は高いと思います。

最近は、顎が小さいために、親知らずのもうひとつ手前の歯が親知らずのような生え方をする例も増えてきています。

そう考えると未来の人間の歯がどんなことになってしまうのか、少し心配です。

お友達に比べて、子供の乳歯の生え変わりが遅いように感じます。どうしたらいいでしょうか?


まず、永久歯の数と生えようとしている方向を確認するために、お口全体が映るレントゲンをとりましょう。

永久歯もすべてそろっていて、ただ単に生え変わりがゆっくりしているだけという結果が出ることが多いのですが、時々間違った方向へ生えようとして生えることができなかったり、骨と癒着していてそれ以上動けない状態だったりすることがあります。

また、先天的に一部の永久歯がないこともあります。

レントゲンの結果を見て、その後の対応を検討しましょう。

歯を抜きました。抜いた所の治療はどうなるのでしょうか?


歯が抜けたところの治療方法は大きく分けると3種類あります。

ブリッジ、入れ歯、インプラントです。

ブリッジは抜けた部位の両隣の歯を削って、抜けた部分を含めた3本(もしくは4、5本)の歯が連結されたものを削った歯にセメントつける方法です。

入れ歯は歯を新たに削ることなく、抜けた歯の両隣の歯に人工の歯を留め金で固定する方法です。

インプラントは抜けた部分の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その人工歯根にかぷせを固定する方法です。

それぞれの方法に一長一短があります。

どの方法で治療するかは抜けた部位の噛み合わせや骨の量、隣の歯の状態などいろいろ考慮し、また患者さんの緊急度、恐怖心、経済状態、健全な歯を削ってもいいかどうかなどという要素も考慮しなければいけません。

歯科医師とよく相談して現状で最もふさわしい治療法を選択するようにするのがよいと思います。

奥歯で咬むと痛いので虫歯だと思って診てもらったら、歯ぎしりではないかと言われました。今まで歯ぎしりを指摘されたことはなく、納得がいかないのですが・・・


虫歯のせいで咬んだときに痛みを感じることはもちろんありますが、歯ぎしりでも同様の症状を起こします。

歯ぎしりを指摘されたことがないということですが、歯ぎしりにもギリギリと上下の歯をこすり合わせるタイプ(いわゆる歯ぎしり)と、こすり合わせることなくグッと力強く咬み続けるタイプ(いわゆる食いしばり)の2種類があります。

食いしばりタイプはほとんど音がしませんのでそばに誰かが一緒に寝ていても気が付かれないことが多いようです。

この「歯ぎしり」というものは夜に寝ていて周りに迷惑をかけるだけのものではありません。

自分の歯をその咬む力で徐々に壊していきます。

歯ぎしりで生じる症状には

・歯の表面が磨り減る

・歯が揺れる

・歯にひびが入る

・歯が割れる

・歯がしみる

・咬むと痛い

歯ぎしりは寝ているときなどの無意識の状態のときに多く発生し、起きているときに歯にかかる力のおよそ3倍もの力がかかるそうです。

虫歯治療後の詰め物やかぶせ物がよく外れたり、欠けたりする人の中には歯ぎしりのくせのある人が多いと言われています。

歯ぎしりを止めるのは難しいのですが、マウスピースを装着して寝ることで咬む力が分散され、症状を軽減させることができますのでぜひご検討ください。

歯がしみるので虫歯だと思って診てもらったのに虫歯ではないと言われました。どういうことでしょうか?


歯がしみるのは虫歯だけではありません。

他の原因としては知覚過敏があります。

そして知覚過敏にもいろんな原因があります。

・歯周病で歯肉が下がって、象牙質が露出したために起こる場合

・何かの原因で歯に亀裂が入った場合

・歯ぎしりで歯がひどく揺さぶられて神経が過敏になった場合

などです。

知覚過敏は虫歯と違ってなかなかはっきりとした原因が目に見えてこないので、歯科医としても頭を悩ませるところです。

対症療法としてみる部分に薬を塗る方法がありますが、経験的には効く人と効かない人がはっきり分かれるようです。

乳歯の神経を取ると永久歯の神経はどうなるのですか?


乳歯が抜けた後に永久歯が生えてきますので、乳歯と永久歯を関連づけて考える方がいらっしゃますが、乳歯とその後に生えてくる永久歯はまったく別の歯です。

したがって、乳歯の神経を取っても後続の永久歯の神経には何ら影響なく、ちゃんと神経のある歯が生えてきます。

しかし、乳歯がひどい虫歯で神経も死んでしまい、治療もされないままずっと放置されていると、後続永久歯のエナメル質の成長に影響を与え、不完全なまま生えてくることもあります。

ですから、永久歯に影響がないからと安心しないで、乳歯の神経を取らなければならないほどの虫歯にならないように気をつけましょう。

最近よく見聞きする「キシリトール」は虫歯にならないのですか?


キシリトールは白樺などから取れる天然の甘味料で砂糖と同等の甘さがあります。

しかし、砂糖と大きく違う点は虫歯を作らないということです。

砂糖は虫歯菌の最も好む栄養源です。虫歯菌は砂糖を摂取して、その代わりに酸を産生します。この酸が歯を溶かして虫歯になるのです。

キシリトールは砂糖と同等の甘さというだけあって、科学的にとても似た構造をしていますが、虫歯菌の体内で分解できず栄養になりません。

分解できないから酸も産生されず、歯が解けることも起こりません。

さらに、砂糖と間違えてキシリトールを摂取した虫歯菌は、無理に分解しようとして体力を消耗し、弱ってしまいます。このように虫歯ができないどころか、虫歯を防ぐ効果もある(と言ってしまうと言い過ぎなのですが)と言えるかもしれません。

お子さんにおやつを買ってあげるとき、のどの調子が悪くてあめをなめたいとき、ぜひキシリトールが多く含まれているものを選んでください。

甘味料としてキシリトールが100%のものは虫歯予防効果も高いようです。

詰めたりかぶせたりしたのにまた虫歯になりました。なぜですか?


簡単に言えば、詰める治療やかぶせる治療は、虫歯で壊れた歯の形をほぼ元通りに戻して、噛み合わせができるようにすることが目的であって、虫歯にならないようにする治療ではないということです。

もしもかぶせることで2度と虫歯にならないのなら、歯が生えた瞬間に全て削ってかぶせてしまえばいいことになりますね。

どんな治療をしても歯がある限り虫歯になる可能性は消えません。

詰めたりかぶせたりして虫歯の穴を感じなくなるとつい安心してしまいがちですが、再び穴があくことのないように、新しい歯を虫歯から守るときと同じ考え方で、予防に努めることが大切なのです。

神経をとったはずの歯がまた痛くなるのはなぜですか?


歯の神経を取るということは「歯の”内部”にある神経をとる」ということです。

歯の周囲の歯ぐき・歯根膜(歯と骨の間になるクッション作用のある組織)・骨にある咬む圧力や痛みを感じる神経はそのまま残っています。

ですから神経を取った歯は冷たいものや甘いものがしみるような痛みは2度と感じなくなりますが、その歯の周囲に炎症が起こった場合には、ズキズキする痛みや熱いものがしみる痛み、ものを咬んだときの痛みなどを感じるのです。

歯みがきをしているのに虫歯になるのはなぜですか?


虫歯になるのは歯が汚れていることだけが原因ではありません。

①お口の中の虫歯を起こす細菌の数や強さ

②食事の取り方(食べ物がお口の中に停滞している時間、おやつに限らない)

この「歯ぎしり」というものは夜に寝ていて周りに迷惑をかけるだけのものではありません。

③唾液の質や量

④歯みがきのときにフッ素を使っているかどうか

など、歯みがき以外のところに原因はいくつもあります。

ちなみに、皆さんのまわりに歯みがきしてないのに全然虫歯にならない人がいませんか?

その人は歯みがき以外のところで虫歯に対する抵抗力がずば抜けて強いというわけです。

もっとも、歯みがきはしているけど、きれいにはできていないという人も大勢いらっしゃいますので、そういう方はまず確実に汚れを落とす磨き方を身につけることから始めてはいかがでしょうか。

歯みがきは虫歯を予防する一番の基本ではありますが、歯みがきをしているからと過信していては虫歯が出来てしまうかもしれません。ご用心!

歯の色が気になるのですが。


歯の色をきれいにする方法はいろいろありますが、歯の状態やどの程度きれいにしたいのかによって処置が変わってきます。

どの場合でもまずは歯の掃除から始めるのがお勧めです。

歯についた汚れやヤニ、歯石などを除去することによって、ずいぶん口元がきれいに見えるようになります。

次に、虫歯やそれまでに処置した詰め物の変色等が目立てば、それを治療することです。

それでもまだ色が気になる場合には、ホワイトニングやかぶせ物を利用することによって、色を改善することができます。

治療期間や治療費は方法によって様々ですから、歯科医とよく相談して治療を進めてください。