ホワイトニング体験記
削らずに歯を白くするホワイトニング
輝く白い歯はとても魅力的なものです。
当院でもホームホワイトニングを長年採用しておりますが、白い歯を手に入れる代償として、処置中の歯に冷たいものがよくしみる知覚過敏を起こしたり、ひどいときには痛みのためにホワイトニングを断念せざるを得ない方もいらっしゃいます。
私、畑上も3年ほど前に一度ホワイトニングを経験しております。
びっくりするほど歯は白くなりましたが、確かにとても歯がしみたのを覚えています。
今回私は、もう一度ホワイトニングにチャレンジすると同時に、現在主に私が使用している16%ホワイトニング剤と、効果がやや弱いといわれている10%ホワイトニング剤を併用して、ホワイトニングの効果と歯がしみる副作用の程度を「体を張って」検証してみたいと思います。
術前
3年前に上の歯だけホワイトニングした影響なのか、上下の色にやや差があります。
今回の実験では、右上と左下に16%、左上と右下に10%のホワイトニング剤を作用させる予定です。
白くなっていくスピードとしみる症状に差はでるのでしょうか?
シェードガイド(色見本)を合わせました。
上はA2です。
下はA3.5です。
1日目
ホワイトニングするのとしないのとで色にどれくらいの差が出るのかを解りやすくするために、前半戦は上のみ処置してみます。
予定通り、右側(向かって左側)に16%、左側(向かって右側)に10%を作用させました。
是会ホワイトニングしたときに比べて、歯は驚くほどしみませんでした。
1日目の仕上がりは16%も10%もあまり差がないようです。
2日目
2日目の処置をしました。
1日目と同じく全くしみません。
前回のあのしみた感じは何かの勘違いだったかのようです。
しみないのはいいことなのですが、どうも腑に落ちません。
色については「昨日より白くなった。右がより白いかな?」とあるスタッフは言いましたが、自分としては確かに白くなってはいますが、あまり左右差を感じません。
3日目
このところあまり色の変化を感じません。
特に歯ぐきに近いところはほとんど色が変わっていないように感じます。
そしてやはり痛みはありません。
前回したときのホワイトニングトレーの形が今のものと違うので、それが痛みや歯ぐき近くの色の変化に影響しているのかもしれません。
前回は薬剤の影響で歯ぐきが非常に痛くなって、ブラッシングもできないほどだったので、その部分に考慮して今の形になったのですが。
トレーを前回のものと今のものとの中間の形にして4日目に挑みたいと思います。
4-5日目
4日目は写真を取ってくれる人がいなかったので、5日目です。
この2日間、歯ぐきのそばまでしっかり覆う形のトレーに変えてホワイトニングを継続しました。
痛みは相変わらずありません。
歯ぐきに近い部分が何となく今迄よりも白くなったように思います。
しかし左右差はやはりあまり感じません。
6-8日目
6日目は写真を撮り忘れました。
7-8日目はあまりに眠くてホワイトニングをし忘れました。
すみません。ちょっと中だるみです。
9日目
上の歯にしみる感じもなく、左右差もあまり感じられないため、上だけを処置するのは終了して、今日から上下ともに処置することにしました。
右下に10%、左下に16%です。
下は柑橘系のものがよくしみるので、ホワイトニングもしみるのではと恐れていましたが、全くしみませんでした。
それよりも上下にトレーを入れることの違和感から、12時ごろ寝たにもかかわらず、夜中3時頃に目が覚めてしまい、結局そこでトレーをはずしてしまいました。
この日はホワイトニングした時間は3時間でした。
10日〜3週間後
左下の歯ぐきがおそらく薬のためだと思われますが、痛くてホワイトニングする気になれません。
痛みが回復しましたら再開します。
歯の痛みは全くないのですが・・・。
4週間後
左下の痛みと腫れが回復したので、下のホワイトニング再開です。
今度は時間を短くして昼間2時間だけしています。
右に16%、左に10%とこれも逆にしてみました。
やはり16%側が歯ぐきが痛くなるようです。
また、今まで患者さんの下の歯の色の変化が鈍いように感じていましたが、どうやらホワイトニング剤が2時間の間に溶け出してしまって、効果が薄くなってしまっているようです。
今後、改善しなければいけないポイントです。
午前の仕事中ずっと装着していますが、周りのスタッフは全然気が付きません。
知覚過敏や歯ぐきの痛みを感じたときに、トレーをはずすなどの対応がすぐできるので、就寝中に装着するより起きているときに使う方が案外いいかもしれません。
最終日
歯ぐきの痛みで休んだり、サボったりして、なかなか毎日はできませんでしたが、この2ヶ月ほどの間に上下とも延べ約2週間ずつホワイトニングを行いました。
最後の1週間は上に比べて色が暗かった下を集中してホワイトニングしました。
結果は写真のとおりです。(上:術前、下:術後)
上の写真と下の写真を比べて、下の方がやや明るくなったのがわかるでしょうか。
(シェードの変化 上:A2→A1、下:A3.5→A1)
自分なりの実験もかねて行ったホワイトニングですが、今回の結論をまとめてみます。
①前回に比べ今回はほぼ痛みを感じなかった。しかし、スタッフの一人に同じホワイトニング剤でやってもらったらひどくしみたらしい。個人差が大きいとわかった。
②10%と16%との間のホワイトニング作用と歯の痛みにはあまり差を感じなかった。しかし前回ホワイトニングしたときの記憶と比べると今回は白くなるスピードがゆっくりだった。
③トレーから漏れ出たホワイトニング剤が歯ぐきに痛みを生じさせる強さは16%のほうが強かった。
今回の結果から無理に16%を使わなくても10%で対応できそうに感じました。
痛みについては個人差があることを患者の皆さんにはご理解いただきたいと思います。
しかし、確実に白くなることも改めて実感出来ましたので、自信を持ってお勧めできると思います。