これってどうなん?

患者さんからの質問にお答えします

奥歯で咬むと痛いので虫歯だと思って診てもらったら、歯ぎしりではないかと言われました。今まで歯ぎしりを指摘されたことはなく、納得がいかないのですが・・・


虫歯のせいで咬んだときに痛みを感じることはもちろんありますが、歯ぎしりでも同様の症状を起こします。

歯ぎしりを指摘されたことがないということですが、歯ぎしりにもギリギリと上下の歯をこすり合わせるタイプ(いわゆる歯ぎしり)と、こすり合わせることなくグッと力強く咬み続けるタイプ(いわゆる食いしばり)の2種類があります。

食いしばりタイプはほとんど音がしませんのでそばに誰かが一緒に寝ていても気が付かれないことが多いようです。

この「歯ぎしり」というものは夜に寝ていて周りに迷惑をかけるだけのものではありません。

自分の歯をその咬む力で徐々に壊していきます。

歯ぎしりで生じる症状には

・歯の表面が磨り減る

・歯が揺れる

・歯にひびが入る

・歯が割れる

・歯がしみる

・咬むと痛い

歯ぎしりは寝ているときなどの無意識の状態のときに多く発生し、起きているときに歯にかかる力のおよそ3倍もの力がかかるそうです。

虫歯治療後の詰め物やかぶせ物がよく外れたり、欠けたりする人の中には歯ぎしりのくせのある人が多いと言われています。

歯ぎしりを止めるのは難しいのですが、マウスピースを装着して寝ることで咬む力が分散され、症状を軽減させることができますのでぜひご検討ください。

詰めたりかぶせたりしたのにまた虫歯になりました。なぜですか?


簡単に言えば、詰める治療やかぶせる治療は、虫歯で壊れた歯の形をほぼ元通りに戻して、噛み合わせができるようにすることが目的であって、虫歯にならないようにする治療ではないということです。

もしもかぶせることで2度と虫歯にならないのなら、歯が生えた瞬間に全て削ってかぶせてしまえばいいことになりますね。

どんな治療をしても歯がある限り虫歯になる可能性は消えません。

詰めたりかぶせたりして虫歯の穴を感じなくなるとつい安心してしまいがちですが、再び穴があくことのないように、新しい歯を虫歯から守るときと同じ考え方で、予防に努めることが大切なのです。

歯みがきをしているのに虫歯になるのはなぜですか?


虫歯になるのは歯が汚れていることだけが原因ではありません。

①お口の中の虫歯を起こす細菌の数や強さ

②食事の取り方(食べ物がお口の中に停滞している時間、おやつに限らない)

この「歯ぎしり」というものは夜に寝ていて周りに迷惑をかけるだけのものではありません。

③唾液の質や量

④歯みがきのときにフッ素を使っているかどうか

など、歯みがき以外のところに原因はいくつもあります。

ちなみに、皆さんのまわりに歯みがきしてないのに全然虫歯にならない人がいませんか?

その人は歯みがき以外のところで虫歯に対する抵抗力がずば抜けて強いというわけです。

もっとも、歯みがきはしているけど、きれいにはできていないという人も大勢いらっしゃいますので、そういう方はまず確実に汚れを落とす磨き方を身につけることから始めてはいかがでしょうか。

歯みがきは虫歯を予防する一番の基本ではありますが、歯みがきをしているからと過信していては虫歯が出来てしまうかもしれません。ご用心!